特定名称酒とは
日本酒は大きく「特定名称酒」と「普通酒」に分けられます。 特定名称酒とは法律で、使用原材料、精米歩合、香味、麹米(こうじまい)使用割合などの要件が分類によって定められている日本酒です。 主な特定名称酒は以下のような種類があり、これら特定名称酒以外のものが「普通酒」や「一般酒」と呼ばれております。
名称 | 使用原材料 | 精米歩合 | 麹米の使用割合 |
---|---|---|---|
純米大吟醸酒 (じゅんまいだいぎんじょうしゅ) |
米・米麹 | 50%以下 | 15%以上 |
大吟醸酒 (だいぎんじょうしゅ) |
米・米麹・醸造アルコール | 50%以下 | 15%以上 |
吟醸酒 (ぎんじょうしゅ) |
米・米麹・醸造アルコール | 60%以下 | 15%以上 |
純米酒 (じゅんまいしゅ) |
米・米麹 | - | 15%以上 |
特別純米酒 (とくべつじゅんまいしゅ) |
米・米麹 | 60%以下 又は特別な製造方法等 |
15%以上 |
本醸造酒 (ほんじょうぞうしゅ) |
米・米麹・醸造アルコール | 70%以下 | 15%以上 |
精米歩合とは
精米歩合とは、白米のその玄米に対する重量の割合をいいます。精米歩合60%というときには、玄米の表層部を40%削り取ることをいいます。 米の胚芽や表層部には、たんぱく質、脂肪、灰分、ビタミンなどが多く含まれ、これらの成分は、清酒の製造に必要な成分ですが、多過ぎると清酒の香りや味を悪くしますので、米を清酒の原料として使うときは、精米によってこれらの成分を少なくした白米を使います。
醸造アルコールとは
醸造アルコールとは、でん粉質物や含糖質物から醸造されたアルコールをいいます。醸造アルコールは「酒の香味の調整役」。香りや味、飲みやすさを良くし、すっきりとした風味を出すために加えられます。 また、吟醸酒や本醸造酒に使用できる醸造アルコールの量は、白米の重量の10%以下に制限されています。
醸造後の処理方法によって以下のような分類もあります。
原酒
- もろみを圧搾ろ過した後に、加水調整しない濃厚なお酒。アルコール分は18~20度とやや高めで濃醇な風味です。一般の市販酒は水を加え、アルコール分を14度前後に調整してあります。
生酒
- もろみを圧搾ろ過した後に、一度も加熱処理をしていないお酒で新鮮な風味が特徴です。通常日本酒は貯蔵する前と瓶詰めする前に加熱処理をしてありますが、生酒は加熱処理殺菌をしていないので、低温で保存しないと香味が変化しやすいです。
生貯蔵酒
- もろみを圧搾ろ過した後に、加熱処理をしないで低温貯蔵したものです。生酒の状態で貯蔵し、瓶詰めするときに一度だけ加熱処理をするのでフレッシュな風味のお酒です。
長期貯蔵酒
- ワインやウイスキーは年代物が幅広く認知されていますが、日本酒にも年代物があります。長期貯蔵をすることにより、まろやかな味わいと特有の香りを持つようになり、中には5年以上貯蔵した古酒も見られます。
(【参考・引用文献】国税庁 2023「清酒の製法品質表示基準」の概要)